リネンの特徴
リネンは簡単にまとめると、上図のような特徴があります。
ポリエステルや、ナイロンなどの合成繊維が誕生する前は、リネンは長らく天然の機能繊維とされてきました。
このページではリネン本来がもつ特徴をわかりやすく解説します。
1.すぐ乾く
フラックスは上図のように、繊維の構造がストロー状の中空になっているため、優れた吸水性・速乾性を持っています。
汗をよく吸ってすぐに乾き、快適な着心地をキープできます。洗濯後もすぐに乾きます。
夏のよく晴れた日にシーツや掛けカバーなどの大物の寝具を乾かすと、その速乾性を実感していただけます。
干すときに、シワをよく伸ばし形を整えると、リネン特有のシワも軽減され気持ち良い仕上がりになります。
2.触れるとひんやり
リネンをはじめ「麻」の仲間は熱伝導性(熱の伝わりやすさ)が高いので、肌に触れた時に素早く体温を奪って外に放熱させます。
そのため、リネンの生地を触ったときにひんやりと感じる「接触冷感」を与えてくれます。
特に、シーツのようも広い面積で素肌に触れたとき、ひんやりと感じ、サラリとした清涼感があるのはこのためです。
3.環境にやさしい
リネンは環境にやさしく、サステナブルな繊維と言えます。
具体的にどのようなポイントでそう言えるのかご説明します。
ーCO2を吸収ー
フラックスは植物繊維なので、畑の上で栽培されている時点ですでにCO2を吸収してくれています。
ー農薬をほとんど使わないー
このことは、「輪作」をすることとも関係してきますが、ほとんど農薬を使いません。
ー雨だけで育つー
フラックスは畑に水を引いたり、散布したりしません。
自然の雨と、晴れとのバランスで成長していきます。
水質を汚染することもありませんが、その分、天候に左右されやすい作物とも言えます。
ー輪作するー
じゃがいも、麦、とうもろこしなどをひとつの畑で育て、6~7年に1回フラックスの種を蒔きます。
こうすることで、土壌や周辺の生物多様性のバランスを整え病気への耐性をつけます。
同じ作物を作り続ける連作を行うと、土の環境が偏り、病気にかかりやすくなり、結果農薬を使うことになります。
生物多様性を育むことは、地球環境全体にも配慮することにつながり、かつフラックスの生育にもやさしい環境を作ります。
ー副産物を無駄なく利用ー
種からは食用の亜麻仁油などのオイルや、油彩絵具の油、加工工程出る落ちワタは混紡糸や、太番の糸、家畜の寝床や建材などさまざまなもに利用されます。
フラックスは、ほぼ捨てることのない繊維と言われています。
合理化が叫ばれる昨今、リネンはその対極にある植物繊維です。
人の手間がかかり、非効率的な部分があります。
ですが、人類が数万年使い続けてきたことには、それなりの意味があります。
非効率な中にも、さまざまな魅力が凝縮しています。
ぜひ、リネンに触れ、数万年人々を魅了してやまないその魅力に触れてみてください。